SSブログ

ペシャワール会中村哲氏の言葉 [人]

------------------------------------------------------
(2001年3月19日バーミヤンの石仏の破壊跡を見た中村氏)

仏性が万人に宿るものならば、それは誰も壊せぬものである。
それは、よし無数の土くれに帰ろうとも、人の愚かさを一身に背
負って逝こうとする荘厳な意思の体現である。
目には見えずとも真理は不動である。
国際組織が「文化保護」だと主張し、各国が政治的プロパガンダ
に利用することをどのようにご覧になったであろうか。
神聖な姿はまさにその瞬間に消えたのである。
「医者井戸を掘る」P193より
------------------------------------------------------
(ジャララバードからカブール診療所立ち上げに出発する際
の中村氏の訓辞)

今世界中で仏跡破壞の議論が盛んであるが、我々は非難
の合唱に加わらない。
私たちの信仰は大切だが、アフガニスタンの国情を尊重する。
暴に対して暴を以って報いるのは、我々のやり方ではない。
餓死者百万人と言われるこの状態の中で、今石仏の議論を
する暇はないと思う。
平和が日本の国是である。
少なくともペシャワール会=PMSは、建設的な人道的支援を、
忍耐を以って継続する。
そして、長い間には日本国民の誤解も解ける日がくるであろう。
我々はアフガニスタンを見捨てない。
人類の文化とは何か。
文明とは何であるか。
考える機会を与えてくれた神に感謝する。
真の人類共通の文化遺産は、平和と相互扶助の精神である。
それは我々の心の中に築かれるべきものである。
「医者井戸を掘る」P183より
------------------------------------------------------

ニュースの速報性は向上したけど・・・。
世界はヒステリックになってしまった。

幕末期に瞬時に世界に情報が伝わる仕組みがあったなら。
砲撃やら外国人襲撃をたびたび起こしていた日本も外国から
徹底的に攻撃されて今の日本はなかった、かも知れません。
日本はラッキーだったと思うのです。

アルビン・トフラーの「第三の波」
手元に本がないのだけれど、産業化の波ひとつとっても
まず農耕牧畜の波が起こり、産業革命で工業化の波が、
ついで情報化の波が起こりました。
自然、波と波との衝突が起こります。
多様性を受け入れる、相互依存する世界。

誰かのために切実な思いに駆られれば、その人の意見は
中立性を保ちえなくなる。
その「誰か」というのが自立能力を喪失した人のためなら、
その偏りは美しい。
そして立場を越えて美しさに共鳴できこと、それが普遍性
なのかもしれません。
私の世代を「やさしさの世代」と呼ぶ人もいるのですが、
中立性、冷静さを保ち他との摩擦を起こさない事こそ正義だ
、と考えてきたふしがあります。
それはひとつの美徳かもしれませんが、同世代人と話して
いるとどうも面白くない。暖簾(のれん)みたいで・・・。
nice!(13)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 13

コメント 3

quartier

解ける方向に向かっているのか、はたまた…
と、いつも思ってしまいます。
by quartier (2008-09-17 09:35) 

pen

やはり現地で行動されている方の言葉は、すごい重みがありますね。ぜひ読んでみたいと思いました。
by pen (2008-09-21 21:11) 

Sartre

わたしのBlogにも、仏性(bussho)ついて書いたことがあります。
Entry: 生意気なことを言うが人は誰でも仏性を持っている  です。 一度読んでいただければと思います。
by Sartre (2008-09-24 02:10) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。